みなさんはナマズの言い伝えを聞いたことがありますか?
昔から日本では、「ナマズは地震が起こるのを感じて、地震の前に暴れる」という言い伝えがあります。
ナマズと地震
ナマズは、日本各地の池や沼などに住んでいる大型の魚です。口元に4本の髭を生やしていて、この髭で獲物を探して捉えることができます。
さて、ナマズは本当に地震を感じ取ることができるのだろうか。
ナマズと地震の関係についての研究もされています。
そして、かつて行われた実験では、ナマズが地震の前触れとも言える「地電流」という電気の変化を感じ取ったという報告もされています。
また、3台の水槽でナマズを長期間育てて、東京都で起きる地震の前にナマズが暴れるかどうかという実験も行われました。
その結果、実験中に起きた地震約90回の地震に対して、約30回暴れるという結果が出ました。
確率に表すと、約30%の確率で暴れたということになります。
そのため、ナマズはやはり地震を感じ取っているのではないかと考えられました。
鯰絵
1855年の安政の大地震の際には、巨大なナマズを猛々しい鹿島の神様が懲らしめる「鯰絵」が流行しました。地震の前には、ナマズが暴れるという言い伝えは今も残っていて、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
鯰絵は、大きな被害が広がったのにも関わらず、実態が捉えられていない地震を、ナマズに例えて想像力豊かに描かれています。
中には、吉原の遊女たちがナマズを懲らしめている絵や、ナマズが地震の復興作業で潤った大工・佐官たちに小判を与える絵など、ユーモア溢れる作品もあります。
ナマズの皮膚
しかし、ナマズはどうやって地震を予測しているのか疑問に感じますよね。
実は、ナマズの皮膚には、水中の電気を感じ取る力があり、その力は人間の100万倍と言われています。
その力を利用して、地震が起きる前に起こる電磁波の乱れを感じ取っているのではないかと予想されています。
ナマズ以外にも、この電磁波の変化を感じとり、地震の前に不思議な行動を起こす動物がいると考えられています。
例えば、犬です。犬は、普段おとなしくしていても、急にうるさく吠えたり暴れたりしたということを聞いたことがありませんか?
また、いつもいる猫がいなくなったということがありませんか?
このように、不思議な行動を起こす動物もいますが、はっきりとしたことは分かっていません。
現代の地震
現在では、地震が起こった際には、緊急地震速報が流れる時代となっています。
地震発生のメカニズムに関する研究が進み、誰もが地震の発生を把握することができるようになったのです。
しかし、地震の発生により火災や津波の被害もこれまで想像を超えて起こってきました。科学で解明できるものばかりではなく、想像できないものに恐怖を感じることもあります。
そのような時に、精神的な支柱を求め、絵画の中にイメージや祈りの思いも込められているのではないかと考えます。
まとめ
ナマズは、地震が起きるのを感じて、暴れているかもしれないということがわかりました。そして、ナマズ以外にも、地震の前に不思議な行動を起こす動物もいます。
みなさんも、普段から不思議な行動を起こしている動物がいないか注意して観察してみてください。それは、地震の前兆かもしれません。