近い将来、10TB(テラバイト)という大容量のSSDが手に入るかもしれないという情報が入りました。
東芝が128Gビットのフラッシュメモリをサンプル出荷し、それに続いてインテルとマイクロンが東芝の3倍容量である384Gビットのフラッシュメモリを共同開発したと発表しました。
もしこれが本当であれば、私たちの生活環境にも影響を与えることになるでしょう。
とはいえ、SSDとはなんぞや?という方もいるでしょう。
まずはSSDとHDDについて、簡単に説明します。
SSDとは
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)とは、フラッシュメモリを用いた記憶装置です。
SSDのメリット、デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 速度が早い。
- 発熱が小さい。
- 動作音が無い。
- 衝撃に強い。
- 消費電力が小さい。
- サイズが小さい。
デメリット
- 記憶容量が小さい。
- 価格が高い。
- 書き換え制限がある。
SSDの読み書き速度はHDDの約3倍です。
データの書き換え回数には限界があるのですが、毎日10GBのデータ書き換えをしても200年もつという計算になるため、心配する必要はほとんどありません。
HDDとは
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)とは、これまで主流だった記憶装置で、名前の通りディスクを使った記憶装置となっています。
SSDメリット、デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 記憶容量が大きい。
- 価格が安い。
- 書き換え制限が無い。
デメリット
- 機械音がする。
- 発熱しやすい。
- 速度が遅く、限界がある。
- 衝撃に弱い。
- 消費電力が大きい。
- サイズが大きい。
SSDと比べることによってデメリットが浮き彫りになっていますが、従来ではこれが当たり前でした。
唯一のメリットである価格の差が10倍以上あるというのは大きなメリットです。
現在ではHDDとSSDの2つを搭載したパソコンが主流になっており、用途によって使い分けるようになっています。
10TB(テラバイト)のSSDとは?
厳密には、SSDを開発しているわけではありません。
3次元NAND(3DNAND)フラッシュメモリというものを開発しています。
現段階では発売には至っていませんがサンプル出荷を開始していますので、テストが終わり次第私たちが購入することができるようになります。
3次元NAND(3DNAND)フラッシュメモリとは?
そもそも、3次元NANDフラッシュメモリを開発する前に、NANDフラッシュメモリという技術を東芝が開発していました。
そのNANDフラッシュメモリという技術は、SDカードやSSDのような小型の記憶媒体に採用されており、読み書きが早く大容量化に適した仕様になっています。
その技術を細かく説明するとまたややこしくなるのですが、要するに平面に設計されていました。
そして、設計を平面構造から立体構造へと変えたことでさらに大容量化することに成功し、3DNANDフラッシュメモリが完成しました。
イメージで言うと、これまで1階しか家が建てれなかったものを2階、3階と積み上げることができるようになりました、ということです。
そうなると当然、その家に住める人数も増えますよね。
それと同じように、フラッシュメモリの容量も増え、さらに小型化することに成功したのです。
10TBのSSDの凄さ
さて、その性能の凄さですが、まず現段階で10TBのSSDというものは存在しません。
Fixstarsが6TBのSSDを発表しましたが、販売はまだされていません。
一般販売されているものは1TBが最大です。
しかし、今回の3DNANDフラッシュメモリを使うことによって、これまで実現できなかった10TBのSSDが生産可能なのです。
これが実現されるとどうなるかというと、SSD全体の価格が下がります。
つまり、SSDの大きな欠点である価格の高さを緩和することにつながります。
そうすることで、HDDからSSDへと移行しやすくなるでしょう。
同じ値段、同じ容量のHDDとSSDだったら、迷わずSSDを選びますよね。
発売日・価格
発売日や価格については、まだ発表されていません。
現行ではサムスンが3DNANDを取り入れたSSDを販売していますが、容量は250GBで通常のSSDより少し安価である程度です。
これから、複数の企業が3DNANDに参入することによって価格競争が始まり、より大容量のSSDがより安価で購入できるようになるでしょう。
3DNANDの技術はまだ始まったばかりですが、注目すべき技術ですね。
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