バッテリーは色々なところで使われています。
みなさんの身近にあるスマートフォンや携帯電話もバッテリーが使われています。
充電という行為が必要なものは、ほとんどバッテリーです。
しかしこのバッテリー、使っていくうちに使える時間が減ってきていませんか?
バッテリーにも寿命があるのです。
バッテリーとは
バッテリーとは主に蓄電池、充電式電池のことを指します。
そして、ほとんどの場合、バッテリーはリチウムイオンバッテリーです。
ここでは、バッテリー=リチウムイオンバッテリーということで話を進めていきます。
バッテリーの材料
バッテリーは、リチウム遷移金属酸化物という素材でできた陽極、炭素でできた陰極、電解質には有機溶媒とリチウム塩を合わせたものを使います。
しかし、条件に合った素材は複数あるため、非常に多くの構成があります。
バッテリーの仕組み
バッテリーの放電、充電は、化学反応により起こされています。
充電するときは、電子を帯びた原子を陰極から陽極に送ります。
放電するときは、電子を帯びた原子が陰極に戻る際に電流が発生し、電気となります。
このように、電子の移動によって繰り返し使用できるのですが、寿命があります。
バッテリーの寿命
なぜバッテリーの容量が減っていくのか、原因は大きく3つあります。
電極や電解質の劣化
バッテリーの内部では、継続的に化学変化が行われています。
何もしていない状態であってもごく微量の化学変化は起こっています。
すると、電極や電解質にも影響がでてきて、劣化や腐食などが起こります。
そして、バッテリー内に蓄えられる電子の量が減ってしまいます。
これは特に、温度の変化が大きく影響しています。
温度が低いほど劣化は少なく、高いほど劣化が進みます。
コンピュータの精度の低下
バッテリーには、電流や電圧を調整するためのコンピュータが内蔵されています。
充電や放電を繰り返すことによって、そのコンピュータの精度にズレが生じてきます。
すると、まだ完全に充電できていないのに充電が止まったりしてしまうのです。
これには解消法があり、バッテリーを放電し切ることによって調整できます。
しかし、だからといって完全に放電してしまうと化学反応さえ起こらなくなってしまい、充電すらできなくなってしまうので注意が必要です。
セルバランスの乱れ
ノートPCなどの大容量バッテリーは、複数の電池が組み合わせられて一つのバッテリーとなっているのですが、この電池の一つひとつをセルといいます。
充電や放電を繰り返すと、それぞれのセルの内容量に乱れが生じます。
すると、一つでも充電が少なくなっていると、他のセルの電力があっても放電が止まります。
逆に一つでも充電が完了すると、他のセルが充電完了していなくても充電が止まってしまうのです。
セルバランスの乱れは、充電回数に比例して大きくなっていくので、充電回数を減らすことが大切です。
バッテリーの寿命を延ばすには
温度ができるだけ低いところで、バッテリーを消費しきってから充電することでバッテリーの寿命が伸びます。
これを心がけることで、今まで2年でバッテリーが使えなくなっていたのが4年使えるようになったり、10時間しか充電がもたなかったのが1日もつようになったりするのです。
しかし、いくら寿命を延ばしたところで限界はあります。
現在のバッテリー技術
現在、バッテリーには色々な角度から求められているものがあります。
コスト、容量、サイズです。
技術的には今あるバッテリーより小さく、容量も大きくすることが可能です。
しかし、今あるバッテリーの形をつくったのは人々のニーズによるものなのです。
スマートフォンだと、だいたい2年ほどで新しい機種に変えることが多いです。
ノートPCだと、数年すれば性能が大きく変わっていきます。
ゆえに、必要以上の性能はバッテリーには求められておらず、さらにコストを下げることに力を入れているのが今のバッテリーなのです。
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