みなさん、辛い料理はお好きですか?
最近では、激辛料理がブームで、メディアに取り上げられる機会も増えてきたと思います。
たまに激辛料理を涼しい顔をして食べている人を見ますが、本当に凄いですよね!!
しかし、辛い料理に必ずと言っていいほど入っている唐辛子。
実は、人間が食べる食材ではなかったようです。
一体どういうことなのでしょうか?!
唐辛子に隠された秘密や栄養効果などについてお勉強していきましょう。
唐辛子が辛い理由
まず本題に入る前に、唐辛子の辛い成分について少し触れておきたいと思います。
唐辛子が辛い理由は、カプサイシンと呼ばれる辛味成分によるものです。
カプサイシンは、たくさんの種子を身にまとっている「胎座」という部分に含まれています。
そのため、唐辛子は生の状態だと、果皮などの部分はあまり辛くありません。
唐辛子を乾燥させると、胎座で作られたカプサイシンが唐辛子全体に行き渡るため、全体的に辛くなります。
唐辛子は人間の食べ物ではなかった?!
今やもはや、定番の香辛料となった唐辛子ですが、もともとは鳥類だけが食べる食材でした。
哺乳類は唐辛子を食べると、体内にあるカプサイシン受容体が反応して、辛味を感じ取ります。
辛い=危険と脳は認識するため、唐辛子を好き好んで食べる野生の哺乳動物はいません。
しかし、鳥類には、カプサイシン受容体がなく、辛味を感じることがありません。
そのため、鳥類だけが辛味を感じることなく、唐辛子を何事もなく食べることができるのです。
さらに、鳥類は種を丸呑みするため、消化されにくく、そのままフンとして排出することができます。
唐辛子にとってもそれは好都合で、空を飛び、種を遠くまで運んでくれるため、繁殖しやすくなるという利点があります。
子孫繁栄のためにも、唐辛子は鳥類だけに食べてもらえるよう、より辛く進化を遂げていったといわれています。
なぜ、人間は唐辛子を食べるのか
鳥類は辛味を全く感じないため、唐辛子を食べることができます。
しかし、なぜ人間は辛いものを好んで食べることができるのでしょうか。
それに、辛い物を食べるとなぜ、やみつきになって止まらないようになってしまうのでしょうか。
これには、エンドルフィンという脳内ホルモンが関係しているといわれています。
エンドルフィンの効果とは
エンドルフィンには、幸福を感じさせ、脳に受けた辛味というストレスを鎮痛・鎮静させる作用を持っています。
辛いものを食べると、辛味は痛みとして脳に伝わります。
痛みを感じた脳は、かなりのストレスを受けた状態になります。
すると、脳からはこの痛みというストレスを和らげるために、エンドルフィンが分泌されるのです。
人間は辛いものを食べてエンドルフィンが放出されると、脳は快感を覚えるようになります。
そして、繰り返し辛いものを食べると、エンドルフィンが次々に放出されて、
辛い!けど、もうちょっとだけ!!パクパク。。。やめられなーーーい!!
と、やみつきになってしまうわけです。
辛いものを食べるとクセになってしまうのは、エンドルフィンのはたらきによるものだったのですね。
唐辛子に含まれる栄養素
人間には食べられたくない!という唐辛子ですが、どんな栄養素が含まれているのでしょうか。
唐辛子の特出すべき栄養素として、
- カプサイシン
- ビタミンC
- ビタミンE
- βカロテン
- カリウム
が豊富に含まれています。
それでは、それぞれの栄養効果について詳しく見ていきましょう。
カプサイシン
唐辛子といえば、カプサイシンが有名ですよね。
唐辛子の入った辛い料理を食べると、体がポカポカしてきて、たくさん汗をかくと思います。
それは、このカプサイシンのはたらきによるものです。
カプサイシンを摂取すると、アドレナリンが分泌されて血流の流れが良くなり、発汗作用が促進されます。
その他にも、カプサイシンには、
- 食欲増進
- 肥満予防
- 免疫力の向上
など、さまざまな効果を持っています。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを生成するのに、必要不可欠な栄養素です。
身体の中では、皮膚や粘膜、骨や血液を健康に保つはたらきをしています。
ビタミンCを摂取することによって、
- 肌トラブルの予防・改善
- 免疫力の向上
などの効果があります。
いやー。唐辛子にビタミンCが豊富に含まれていたなんて驚きでした!
しかし、これは生の状態に限ります。
100gあたりの唐辛子に、
- 生の唐辛子:120mg
- 乾燥させた唐辛子:1mg
ほど含まれているそうです。
乾燥した唐辛子では、ビタミンCの効果はあまり期待できないため、注意しましょう。
ビタミンE
ビタミンEには、血液や細胞膜など、体内の脂質の酸化を抑えるはたらきを持っています。
このはたらきを抗酸化作用といいます。
酸化を抑えることによって、
- 老化防止
- 生活習慣病
- ガン
などの病気を抑える効果があります。
βカロテン
βカロテンはビタミンEと同様、強い抗酸化力を持ち、皮膚や粘膜を正常に保ったり、視力を維持したりするのに、必要不可欠な栄養素です。
必要に応じては、体内でビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を果たします。
βカロテンを摂取することによって、
- 視力低下の防止
- 免疫力の向上
- 美肌効果
- 老化防止
- 生活習慣病の改善・予防
などの効果があります。
カリウム
カリウムは、細胞内の浸透圧を一定に保ったり、筋肉の収縮をサポートしたりするはたらきがあり、人体にとっては、欠かすことのできない重要なミネラルの1つです。
カリウムを摂取することによって、
- 高血圧の予防
- 便秘の改善
- むくみの解消
- 筋力・反射機能の向上
- 精神の安定
などの効果があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
唐辛子は、子孫繁栄のために鳥類に食べられることを望んでいたようですね。
私たち人間やほかの動物には食べられたくない!と辛く進化を遂げてきたのには驚きました。
唐辛子の気持ちを知ってしまうと、なんだか食べるのが申し訳ない気持ちになってしまいますね(^^;
人間が唐辛子や辛い料理を食べると、やみつきになってしまうのには、エンドルフィンという快感を感じるホルモンが関係していたようです。
唐辛子には辛いだけでなく、食欲増進や生活習慣病の予防、老化を防止する効果などがあることがわかりました。
しかし、刺激が強い食材のため、胃や腸が荒れないよう食べすぎには注意をしましょう。
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