炭酸飲料やフルーツジュース、カフェオレや乳酸菌飲料、お茶やミネラルウォーターなどなど。
現代では、ペットボトル飲料が主流になってきましたよね!
ペットボトルであれば、持ち運べたり、好きなタイミングで飲めたりと、とても便利ですよね。
しかし、牛乳がペットボトルに入っているのを見たことはありません。
牛乳の容器といえば、紙パックや瓶が主流です。
なぜ、ペットボトルに入った牛乳は販売されていないのでしょうか?
牛乳には、なにかペットボトルに入れてはいけない理由があるのでしょうか?
どうして牛乳は紙パック・瓶に入っているの?
牛乳はみなさんご存知の通り、とても栄養価の高い飲み物です。
小学校の給食に毎日出るほどですから、その栄養価の高さが裏付けされていますよね。
しかし、ごはんと牛乳は合わないなどの理由で、徐々に学校給食から姿を消してきているというのも事実です。
若干お話が逸れてしまいましたが、学校給食の牛乳事情はさておき。
牛乳が紙パックや瓶に入っている理由は、
牛乳は栄養価が高く、温度変化や繰り返しの開封によって雑菌が繁殖しやすいため、
常温で長時間の持ち運び可能なペットボトルには不向きだからです。
牛乳の保存温度は10℃以下とされています。
牛乳を長時間持ち歩かさせることを防止するために、ペットボトルでの販売はされていなかったようですね。
確かに、ペットボトルに入った牛乳を少し飲んで、また口を閉めて常温で持ち歩くのは、
ほかの飲み物と比べると、不衛生で牛乳の美味しさも失われ、お腹も壊してしまいそうですよね。
ペットボトルの牛乳が誕生した歴史
実は、ペットボトルに牛乳を入れて販売することは可能だったようです。
ペットボトル飲料の歴史について少し触れていきましょう。
ペットボトル入り飲料が誕生したのは、1982年といわれています。
炭酸飲料から始まり、その後さまざまなサイズや形のペットボトルが誕生していきました。
いろいろな飲み物がペットボトルの容器に切り替える中、
牛乳はその当時、法律によってペットボトルでの販売が認められていませんでした。
しかし、牛乳の消費量が減少したことをきっかけに、もっと多くの方に飲んでもらって、牛乳の消費を拡大していきたいという業界団体の熱意と法律の改正を求める動きによって、
厚生労働省が2007年10月30日に「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」を改正し、ペットボトルによる販売を認めました。
ペットボトルの牛乳が販売されていない理由
法律が改正されたのにもかかわらず、お店で見かけるのは紙パックと瓶に入った牛乳ばかりですよね。
なぜ、ペットボトルの牛乳は販売されていないのでしょうか。
高額なコスト
牛乳をペットボトルで販売するには、
- 牛乳専用のペットボトル
- 充填する機械の導入
など、様々な費用がかかります。
その費用は紙パックに比べると3倍の費用がかかるといわれています。
牛乳をペットボトルに入れて販売して利益が出せたとしても、それらにかけた莫大な費用とは釣り合いが取れないため、ペットボトルによる販売を多くの企業が行っていません。
消費者のニーズ
ペットボトルの牛乳が販売されていない理由のもう一つに、
消費者があまりペットボトルに入った牛乳を求めていないことが挙げられます。
やはり、ペットボトルの牛乳では衛生的に不安であるという消費者の声が大きいのです。
ペットボトルの牛乳だと、容量や飲み方にもよりますが、常温で長時間うっかり持ち歩いてしまったというケースが考えられます。
法律によって許可されていたとしても、衛生的な不安が残ってしまうのです。
昔ながらの紙パックや瓶のほうが確実に冷蔵保存することができ、衛生的にも安心です。
瓶であれば、飲み終わりも簡単にすすぐことができ、煮沸消毒して何度も利用することができるので、
衛生的で消費者も安心し、生産者側もコストを削減することができます。
また、紙パックも同様、コスト面の削減や子どもたちがうっかり床に落としてしまっても、破片が飛び散ることがないため、
安全を確保することができます。
これらのことから、消費者のニーズは、好きなときに好きな量を飲める便利さではなく、
子どもから大人まで、安心・安全に飲むことができることを求めているのです。
ペットボトルの牛乳が存在していた!?
タカナシ乳業株式会社では、
- タカナシ コクっとミルク北海道4.0牛乳
- タカナシ コクっとミルクカフェラテ
という、牛乳瓶の形をしたペットボトル飲料が2017年4月18日より発売されていたのです。
その牛乳瓶のペットボトルの姿が可愛らしいと人気で、容器をインテリアに取り入れる方もおられるようです。
こちらのコックとミルクシリーズはネット通販でもお取り寄せができるそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
牛乳がペットボトルで販売されていない理由をまとめると、
- 衛生面
- コスト面
から、販売する企業が少ないということがわかりました。
牛乳の消費量を拡大したいという思いで法改正まで行き着いたのに、コスト面で多くの企業が実現させることができないのはなんだか報われないですよね。
しかし、海外や国内の一部の会社では、ペットボトルに入った牛乳が販売されていることも事実です。
いつか牛乳もペットボトルに入り、自動販売機で販売される時代がやってくるかもしれません。
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