みなさん、ツクシを食べたことはありますか?
私は小さいときに食べた記憶はありましたが、味を全く覚えておりませんでした。
最近になって、ツクシの天ぷらをいただく機会がありましたが、少し渋みがあって、それがまた美味しいですよね!
家の前にもニョキニョキと生えた可愛らしいツクシの姿を見てほっこり。
春の訪れを感じさせてくれますね。
そんな春にしか出会わないツクシですが、栄養効果はあるのでしょうか?
意外とツクシには私たちの知らないツクシパワーが秘められていました。
ツクシとは
ツクシとは、シダ植物門トクサ網トクサ目トクサ科トクサ属の植物の一種で、その栄養茎をスギナ(すぎな・杉菜)、胞子茎をツクシ(つくし・土筆)と呼びます。
スギナとツクシは一見違う植物のように見えますが、同じ植物からできる異なった部位であり、地下茎でつながっています。
春になると、ツクシは田畑や川の土手、道路の脇など全国各地で自生をします。
ツクシは春の山菜として、昔から親しまれている食材です。
ツクシの栄養
強力な抗酸化力のあるβカロテンやビタミンEを豊富に含んでおり、その含有量は野菜の中でもトップクラスといわれています。
その他にもカリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄などが多く含まれています。
三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質は多く含まれておりませんが、ビタミンやミネラルが豊富のため、昔から漢方薬としても活躍をしていました。
ツクシの効果・効能
花粉症対策
ツクシには花粉症の改善・予防効果があることが発見され、注目を浴びています。
花粉症などのアレルギーを悪化させる物質として、ヒスタミンやロイコトリエンなどが挙げられます。
しかし、ツクシには抗アレルギー物質であるコハク酸やフラボノイド類が含まれていることが研究により明らかになりました。
それらの抗アレルギー物質の働きにより、アレルギーによる炎症を抑えて、かゆみや鼻づまりなどの症状が緩和される効果があることがわかりました。
しかも、効果の出る時間までには即効性があり、花粉症の症状が出ているときにツクシを食べると、すぐに効くそうです。
毎年辛い花粉症で悩まされる方は一度、ツクシの効果に期待してみてはいかがでしょうか。
その他の効果・効能
花粉症以外にもツクシには、咳を軽減させる効果や、心臓や血管、骨を丈夫にする効果、利尿作用、むくみを取る効果、老化防止などにも効果があります。
さらには、生活習慣病である高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの改善・予防効果が期待されています。
ツクシは春ならではの健康食材といえるでしょう。
ツクシの注意点
ツクシにはチアミナーゼと呼ばれるビタミンB1を分解し、消失する酵素が含まれています。
ビタミンB1が欠乏すると、脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群など主に2種類の病気が引き起こされる可能性があります。
脚気の症状としては、手足のしびれや全身の倦怠感、動悸、筋力の低下などが挙げられます。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群は、アルコールを大量に摂取する方やアルコール依存症の方に発症することが多い病気です。
体内に入ったアルコールを分解する際にはビタミンB1を消費します。
そのため、アルコールとツクシに含まれているチアミナーゼの作用により、ビタミンB1が欠乏しやすくなってしますのです。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群の症状としては、眼球運動の麻痺や歩行障害、記憶力の低下などが挙げられます。
また、ツクシには植物性の毒であるアルカロイド類や無機ケイ素を微量含んでいます。
ニコチン過敏症の方や心臓や腎臓の病気をもつ方は食べないほうが良いといわれています。
ツクシを食べる時は、下ごしらえをしっかりとし、大量に食べないように注意していただくようにしましょう。
ツクシの収穫の目安
ツクシの栄養効果についてわかると、ツクシの採取に出かけてみよう!という気持ちにさせてくれますよね。
収穫の時期や食べごろのツクシはどのような形をしているのでしょうか。
収穫時期
ツクシは春の陽気につられてニョキニョキと成長するため、収穫の時期が多少前後することがあります。
一般的には3月の下旬から4月の上旬が収穫の目安となります。
気候が温暖な地域であれば、早くて2月の下旬から3月の中旬に収穫することもできます。
これらの時期であれば、スーパーでも入手することができます。
ツクシの食べ頃
ツクシは大体10センチから15センチまで成長するといわれています。
できるだけ太くて背の高いツクシを根本からプチッと採るようにましょう。
ツクシの頭は開いておらず、引き締まった褐色のツクシが美味しく、採り頃、食べ頃であるといわれています。
しかし、頭が緑色のものは渋みが強く歯ごたえがあり、こちらのツクシを好む方もおられます。
自分の好みに合うツクシを探してみるのもいいですね。
ツクシの美味しい食べ方
ツクシを食べる際は必ずアク抜きが必要となります。
そのまま食べてしまうと、とても渋くて美味しく食べることができないので、下ごしらえの仕方を確認しておきましょう。
下ごしらえ・アク抜きの仕方
1ツクシの節々についている「ハカマ」を取り除きます。
ハカマは葉が退化したもので固く、調理をしても口当たりが悪くなってしまうので、きれいに取り除きましょう。
この作業時に、ツクシのアクによって手が汚れてしまいます。
気になる方はゴム手袋をしたり、お酢やレモン汁を手につけたりして作業すると汚れがつきにくくなります。
2ハカマを取り除いたツクシを水できれいに洗います。
土が残らないように水を2~3回取り替えながら、しっかりと洗いましょう。
3ツクシがかぶる程度の水を沸騰させ、ツクシが柔らかくなるまで、約3~5分ほど茹でます。
4茹でたツクシを冷水にさらして、下ごしらえは完了です。
茹でる時間や水にさらす時間が長いほど、食感が柔らかくなり、ツクシの渋みや苦味をおさえることができるので、自分の好みに合わせて調節してみてください。
ツクシを使ったレシピ
ツクシは佃煮や卵とじ、きんぴら、ツクシごはんなど、さまざまなレシピがあります。
中でも私が好きなツクシの天ぷらのレシピをご紹介します。
ツクシの天ぷら
材料
ツクシ、天ぷら粉、サラダ油(すべて適量)
作り方
1ハカマを取り、アク抜きをしたツクシを5本程度にまとめます。
2冷水で天ぷら粉を溶いて、衣を作ります。
3鍋にサラダ油を入れて熱し、ツクシを衣に絡めて揚げます。
味付けは塩コショウでシンプルにいただいても美味しいです。
私はお好みソースを付けて食べるのが好きです。
つくし飴
突然ですが、みなさんはつくし飴をご存知でしょうか?
つくし飴とは、その名の通り花粉症に効果があるといわれているツクシを主な原料としてできた飴のことです。
ツクシ料理も美味しいですが、料理であれば食事時でないと食べることができません。
また、料理をするのが面倒だという方でも、飴であれば気軽に口にすることができます。
花粉症の症状に即効性も期待できるので、今年の春はつくし飴を試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ツクシには花粉症の症状を緩和させる効果があったことにとても驚きました。
ツクシを食べすぎると危険な場合もありますが、下準備をして、量に気をつければ安心して召し上がることができます。
ぜひ、今年からでも春の山菜であるツクシを味わってみてくださいね。
コメント