私たちが普段何気なく食べている食品の多くには、着色料というものが含まれています。
着色料といえば食紅が思い浮かびますが、この食紅は一体何からできているのでしょうか?
食紅とは
食品に色を付けるために使用される着色料のことを食紅と呼びます。
本来は赤い色の着色料のことを食紅と呼んでいたのですが、今では青、黄、緑などさまざまな色の着色料のことを総じて食紅と呼んでいます。
また、元々は天然素材からできた着色料のことを食紅と呼んでいましたが、現在では化学合成によってできた着色料も含めて食紅と呼んでいます。
化学合成の食紅
化学合成によって作られる食紅は、一般的にはタール色素というものが使われています。
タール色素とは合成着色料の一つです。
元々はコールタールという石炭を加工して得られる副生成物で作られていたので、そのまま名前が付けられています。
これだけ聞いたら、そもそも食べて大丈夫なの?って思いますよね。
実はこれ、大量に摂取すると死んでしまいます。
つまり、人体に悪影響を及ぼしてしまいます。
コールタールは最初に発見された発癌性物質であり、実験により人工癌の発生が確認されているのです。
食紅の危険性
食紅が使われた食品は危険なのでしょうか?
いえいえ、そうではありません。
コールタールの摂取による推定致死量は200gから300gといわれているのですが、普通に生活しているうえでこの致死量を超えることはまずありません。
よっぽど努力と工夫して可能かどうかというくらいです。
無害なのかと言われるとそうではありませんが、国が許可を出して数十年変わっていないという点から安全性は十分高いと思います。
天然素材由来の食紅
それぞれの色によって異なります。一例を出してみましょう。
赤色は、紅花という花から抽出しています。
黄色は、クチナシという植物の果実を乾燥させ、抽出しています。
青色は、黄色と同じくクチナシの果実からの抽出ですが、クチナシの果実を発酵させると青くなるので、そこから抽出しています。
ここで紹介したもの以外に、菌や虫から抽出しているものもあります。
天然素材由来の食紅が良い?
合成着色料は石油を原料としているため危険で、天然着色料は食品や植物が原料となるものが多いため安全というイメージがあります。
しかし、天然だから安全で合成だから危険と安易に判断するのはよくありません。
現に天然でも禁止にされた着色料も存在します。
天然、合成のどちらを選ぶ場合でも国に認可されているものを選ぶのがよいでしょう。
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