ある日、大量の酒粕をもらいました。
酒粕といえば、健康や美容面に優れていると現在話題の健康食材です。
しかし、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
効果を知れば、酒粕を食べるのが楽しくなりそうですよね。
酒粕とは
日本酒を製造する際に、もろみを絞って残ってできた白い固形物が酒粕となります。
行事ごとから日常的にも飲まれることのある、甘酒の原材料のひとつでもあります。
酒粕にはいろいろな種類があります。
もろみを圧縮した際に、板状に残ったものを「板粕」といいます。
水分が多いなどの原因で、板状に取れず、バラバラの状態のものを「ばら粕」または、「粉粕(こがす)」といいます。
酒粕をペースト状に練ったものを「練り粕」といいます。
板粕とばら粕を足で踏み込んで、空気を出して熟成させたものを「踏込み粕」といいます。
ばら粕を練り込んで板粕上にしたものを「成形粕」といいます。
ばら粕は板粕の代替商品としての意味合いもあります。
酒粕は栄養価が高く、健康効果が期待できることから注目を集めています。
酒粕の効能
便秘を改善し、ダイエットにも
酒粕で注目すべき栄養成分には、レジスタントプロテインというものが含まれています。
レジスタントプロテインとはタンパク質の一種でありながらも、体内で消化されにくく、食物繊維としての機能も果たすタンパク質のことです。
レジスタントプロテインは過剰に摂取した脂質やコレステロールなどを吸着し、便として一緒に排出してくれます。
脂質の吸着により、固くなった便も柔らかくしてくれるため、便秘を改善する効果があります。
また、体内に脂質やコレステロールが吸収されにくくなるため、肥満を予防・改善し、ダイエットにも効果てきめんです。
甘酒ダイエットというダイエット方法も流行っていることから、ダイエット効果は間違いないでしょう。
生活習慣病の予防・改善効果
先程のお話にも登場したレジスタントプロテインですが、悪玉コレステロールを低下させるはたらきもあります。
悪玉コレステロールが増えると、血液がドロドロの状態となり、血栓と呼ばれる血液の固まりができてしまいます。
レジスタントプロテインによって悪玉コレステロールが減少すると、心疾患や高血圧、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を改善・予防することができます。
また、酒粕にはインスリンと似た作用を持つ物質が存在し、インスリンの作用不足で起こる糖尿病にも効果があります。
美容効果
酒粕にはお肌にできるシミやそばかすなどを防ぐアルブチンが含まれています。
ヒトは紫外線に当たると、お肌を守るためにメラニン色素を生成し、シミとなります。
シミやそばかすはチロシナーゼという酵素が酸化されることで、メラニンを合成します。
アルブチンにはそのチロシナーゼの生成を抑える効果があり、シミの悪化を防ぎ、予防してくれます。
さらに、アルブチンは美白効果にも優れており、化粧品にもよく配合されている成分の1つです。
アルブチンの他にも、スフィンゴ脂質の一種でもあるセラミドやコウジ酸、フェルラ酸も含まれています。
セラミドには、シミやそばかすを予防する効果に加え、高い保湿効果があります。
コウジ酸とフェルラ酸は美白効果はもちろんのこと、シワやたるみなどを改善・予防し、アンチエイジング効果もあります。
美髪効果
酒粕には、髪の毛のキューティクルを整えるアミノ酸、髪の毛の保湿をするセラミドが含まれています。
また、皮膚や髪の毛の健康を保つビオチンや頭皮を活性化させるコウジ酸が含まれています。
それらの働きにより、美髪効果だけでなく、薄毛や抜け毛も予防・対策する効果があるそうです。
疲労回復
酒粕はお米を米麹と発酵させることで作られる発酵食品であり、タンパク質やアミノ酸、ビタミン類など豊富に含まれています。
栄養価の高い酒粕で作られる甘酒は、江戸時代では夏バテ防止のために夏の栄養ドリンクとして親しまれていました。
ビタミンB群は特に疲労回復に良いといわれています。
例えば、ビタミンB1には糖質のエネルギー産生に関与し、精神状態を安定させる効果があります。
ビタミンB2は目の充血や口内炎などの炎症を抑える効果があります。
その他にも、貧血予防に効く葉酸や感染症の抵抗力を高めるパントテン酸などが含まれています。
がん予防
がん細胞の増殖を抑え、予防するには「ナチュラルキラー(NK)細胞」を活性化させることが良いといわれています。
ナチュラルキラー細胞とは、体の中にウイルスや悪い細胞など異物が侵入していないかを探し出し、退治する細胞です。
酒粕にはそのナチュラルキラー細胞のはたらきを活性化させ、がんを予防する「αーハイドロオキシ酸」という物質が含まれていることが研究により発見されました。
また、清酒を飲む人の方ががんになる人が少ないことから、清酒や酒粕のがん予防効果が期待されています。
骨粗しょう症予防
古い骨は血液中に溶け出し骨吸収を行い、新しい骨の細胞が作り出される骨形成を繰り返し、私達の骨は丈夫な骨へと日々変化しています。
しかし、年齢を重ねるに連れてカテプシンLという酵素が分泌されて、骨を壊してしまいます。
骨吸収のはたらきが強くなり、骨形成とのバランスが取れなくなると、骨粗しょう症を引き起こしてしまいます。
また女性の場合、閉経後にホルモンバランスが崩れて、骨粗しょう症になる確率が高くなってしまいます。
酒粕には、骨に悪影響を与えるカテプシンLのはたらきを阻害する成分が含まれていることが研究によりわかりました。
そのことから、酒粕は骨粗しょう症予防に効果があるといわれています。
アレルギー体質の改善
アレルギーとは、ある特定の物質に対して免疫反応が異常に反応することです。
花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーは、カテプシンBという酵素によって作り出される免疫グロブリンが原因でアレルギーを発症するといわれています。
酒粕には、カテプシンBのはたらきを抑制する成分が含まれていることが研究により発見されました。
酒粕によって、アレルギー症状の緩和・アレルギー体質の改善が期待されています。
酒粕の適切な量
酒粕は美容やダイエット、生活習慣病にも効果があることがわかりました。
酒粕の健康効果を高める1日の摂取量は50gといわれています。
50gあたりのカロリーは約110キロカロリーです。
1日に50gであれば、手軽に食事に取り込むことができそうですね。
酒粕の注意しなければならないこと
アルコール
粕汁や酒粕の甘酒を飲んで運転し、飲酒運転として罰せられたという事例があります。
酒粕には、100g中アルコールが8.2gほど含まれています。
加熱してある料理だからと安心して口に入れても、アルコールが抜け切らないこともあります。
実際私もアルコールに弱い体質が原因かもしれませんが、酒粕ケーキや粕汁を食べた時に酔いが回ってきたこともあります。
未成年はもちろんのこと、運転する前に酒粕を使った料理は食べないように気をつけましょう。
酒粕レシピ
酒粕ってどんな料理に使おうか迷いますよね。
しかし、いろいろな料理に酒粕をプラスするだけで十分に楽しむことができます。
例えば、いつものお味噌汁に酒粕を加えるだけでいつもとは一味違うお味噌汁に仕上がります。
実は酒粕には旨味成分であるアミノ酸が含まれているため、より一層味を引き立ててくれます。
その他にも、納豆と酒粕を合わせてみたり、ココアやホットミルクなどにも少量入れたりすることで酒粕のほのかな香りを楽しむこともできます。
家庭によって作る甘酒も異なりますので、甘酒レシピをご紹介します。
ダイエット目的もあるため、砂糖などの糖分をあまり入れないようにしています。
ちょっぴり大人な甘酒レシピ
材料
- 酒粕 30g
- 水 200g
- 砂糖 大さじ1より少なめ
作り方
鍋に水を入れて火にかけ、酒粕を溶かし、砂糖を入れて混ぜて出来上がりです。
お好みで、はちみつや生姜を入れても美味しく召し上がれます。
カルピスで割ってみると、アルコールの風味が抑えられてとても飲みやすかったです。
また、ココアを入れてみるとお酒風味のチョコレートのような味になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
酒粕は生活習慣病や美容、便通など、さまざまな効能が得られることがわかりましたね。
意外と甘酒はアレンジの幅が広く、次は何と合わせようか考えるのが楽しくなりますよ!
甘酒の他にも、お祭りで食べる酒粕ジェラートも美味しいですよね。
実は、酒粕独特な風味が苦手な私です(笑)
しかし、たくさん酒粕をもらったことをきっかけに、健康のためと考えて口にするとだんだん慣れてきました。
そのかいあって、便秘に悩まされていた私も酒粕で作った甘酒を飲むことによって、便秘が改善されました!
体に良いことがわかると人間、頑張れるものですね!
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