みなさんは、みりんってどんな調味料なのか説明することはできますか?
みりんを使った料理といえば、肉じゃがや照り焼きなどの和食が思い浮かびますよね。
料理にツヤを出して、少し甘みの効いた調味料かなと推測することはできますが、私も自信を持って答えることはできません。
料理の味付けの基本となる5つの調味料「さしすせそ」にもみりんは含まれていないですよね。
なにも考えずに、レシピ通りにただ入れていたみりん。
一体みりんはどのような調味料なのでしょうか。
みりんとは
みりんとは、甘みのある黄色い液体で、日本料理の調味料の1つです。
また、調味料だけではなく、アルコール飲料としても飲用されています。
みりんは「みりん風調味料」と区別するために、「本みりん」と呼ばれることもあります。
本みりんは蒸したもち米と米麹を混ぜ、焼酎または醸造アルコールを加えて2ヶ月間ほどじっくり熟成して作られます。
また、本みりんには、約14%のアルコールが含まれています。
そのため、アルコール飲料と同じように酒税がかけられます。
みりんの歴史
みりんの発祥は、日本発祥説と中国伝来説の主に2つの説があるそうです。
日本発祥説によると、日本に昔から存在する白酒や練酒などの甘いお酒の腐敗を防止するために、焼酎などのアルコールを加えたのがみりんの始まりといわれています。
また、中国伝来説では、中国に昔から存在した密林(ミイリン)というお酒が、戦国時代に日本へ伝わってきたといわれています。
みりんの発祥についてはさまざまな説があり、現在も真相がまだ確定されてはいないようです。
現在では調味料としてのイメージが強いみりんですが、戦国時代の頃は甘みのある高級なお酒として飲まれていました。
江戸時代になり、清酒が一般的に広まると、みりんは砂糖よりも手に入れやすい甘味料といわれ、
お酒としてだけでなく、料理の旨味を引き出す調味料としての役割も果たすようにもなりました。
本みりんとみりん風調味料と発酵調味料の違い
本みりんに類似した調味料として、
- みりん風調味料
- 発酵調味料(みりんタイプ調味料)
があります。
みりん風調味料と発酵調味料は、高価な本みりんの代用となる調味料として開発されたそうです。
この3つの違いを比べると、主に
- 原材料
- アルコールの有無
による違いが挙げられます。
原材料
本みりんの原材料は先程も触れていますが、主に
- もち米
- 米麹
- 醸造アルコール
が熟成して作られます。
みりん風調味料は
- 糖類
- 米
- 米麹
- 酸味料
- うま味調味料
などをブレンドして作られます。
発酵調味料は
- 米
- 米麹
- 糖類
- アルコール
- 食塩
- 酢
などを加えて作られます。
アルコール
原材料から、本みりんと発酵調味料にはアルコールが含まれていることが確認できます。
しかし、みりん風調味料にはアルコールが1%未満とほぼ含まれていません。
そのため、みりん風調味料はアルコールを飛ばす必要がなく、加熱しない料理にもそのまま使用することができます。
発酵調味料には本みりんと同じようにアルコールが含まれていますが、飲酒できないように食塩や酢が含まれています。
発酵調味料はお酒として飲むことができないため、本みりんのように酒税はかかりません。
みりんの調理効果
みりんを料理に使うと主に5つの効果を発揮します。
料理に照りとツヤを出せる
みりんを加熱すると、多種類の甘味成分によって膜が作り出されます。
その膜によって、砂糖だけでは作り出せないきれいな照りとツヤが生み出されます。
上品でまろやかな甘味をつける
砂糖の甘味成分は、主にショ糖からできています。
砂糖に比べると、みりんは
- ブドウ糖
- オリゴ糖
など多くの種類の甘味成分から構成されています。
多くの甘味成分によって深みのある上品でまろやかな甘みが生み出されます。
食材に味が染み込みやすくなる
アルコールの分子は浸透性に優れており、他の味の分子も食材に染み込みやすくさせることができます。
次第にアルコールは熱によって蒸発するため、食材には旨味やコクだけが残ります。
煮崩れを防止する
アルコールが食材に浸透することによって、身が引き締まって、旨味成分も閉じ込めてくれます。
肉や魚の生臭さをとる
アルコールが蒸発する際に、食材の臭み成分も一緒に飛ばしてくれるため、消臭効果もあるそうです。
みりんの代用
いざ料理をしようと思ったら、みりんを切らしてしまった!ということもありますよね。
しかし、そんなときでもみりんはある調味料を組み合わせることによって代用することができます。
それは、日本酒(料理酒)と砂糖です。
気になる組み合わせの分量は、みりん大さじ1杯の場合、日本酒大さじ1と砂糖小さじ1を合わせると代用できるそうです。
みりんよりも照りやツヤの具合は劣るそうですが、
みりん単体よりも低カロリーで、味も市販のみりんより勝るのではないかという声もあります。
料理酒を使う場合は、もともと塩分が含まれているため、塩加減に注意することが必要です。
また、砂糖の代わりにはちみつを小さじ2/3入れることでも代用することができます。
砂糖よりもカロリーダウンさせることができるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
みりんはもともと甘いお酒として飲まれていたということを知って驚きました。
本みりんとよく似ているみりん風調味料にはアルコールが含まれておらず、
発酵調味料にはアルコールは含まれていても、飲めないように塩分が含まれていることがわかりました。
みりんには料理に照りやツヤをつけて美しく見せるだけでなく、
旨味や煮崩れの防止、消臭などの効果にも優れている調味料だったのですね。
みりんを料理に入れると、不思議と美味しくなりますよね。
これからもみりんを活用して美味しい料理を作って、お酒としてのみりんも味わってみたいです。
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